マダムが速え
浄土平までくれば残り35kmほど。前半に比べれば後半は「ほぼ」下りなので、ここからは前半いかに足を残すことができたかにかかってきます、爆走するには。モチのロン、前半でいい感じに足を使いました。エイドを出て気合を入れるも、その足の重さにちょっと不安を感じつつ後半スタートです。
浄土平が一応一区切りではありますが、コース最高標高地点ではありません。浄土平から2kmほどでしょうか、進んだところにこのコース最高標高地点があります。
浄土平に着いて、「登り終わったー!くだりくだり!」とウキウキしても、ちょっと行くとまた登るので、「え、まだ登るの?!」となるのがCBSの標準仕様です。ここが書いてある通り、道路最高点なのでここからが本格的な下りですよー。
浄土平を出る時に、10mほど前方にマダムがいらっしゃいました。CBSの参加者は200人なので、道中は基本一人旅になります。しかし、走力が近かったりすると、だいたい同じメンバーで抜きつ抜かれつしたりします。このマダム、前半の登り区間で抜きつ抜かれつしました。まあ、登りは嫌いだからちぎれなかったけど、下りに入ったらこっちのもの。スピードでは負けませんよといきり立つ。
が、全然差が縮まらない。
というか、自分のペースが遅えぇぇえぇ。
後半はサブ4ぐらいのペースでと思っていたのに、なんか知らんが(練習、力不足)キロ630がやっと。どんどんどんどんマダムの背中が遠くなっていく。おそらくキロ6ちょうどぐらいで走られてたんだと思う。嗚呼、なんとも情けないなあと思いながらも、これからまだ30kmもあるんだからマイペースで行きましょ、と思ったその矢先。
マダム2に抜かれる。
しかも、颯爽と。
駅伝とか見てて、選手が抜かれる時に「ここでついていかないとダメですねー!背中を追わないと。」っていう解説者の言葉を良く聞くが、まったくもってノータイムでスルー。ちょっと凹む。浄土平まで公認ショートカットしたんじゃないの~、なんていい訳めいた思いも浮かんだが、そのマダム2は装備が決まっていてショートカットとかは必要なさそう。カーブ2,3個で見えなくなってしまいました。ひえぇ(ていうか自分遅い)。しかし、この方とはこの後エイドを挟んで抜きつ抜かれつするが、ラスト2kmぐらいのところで(私が死ぬところ)で完全にぶっちぎられます。途中のエイドで「死にそうな顔してるね~」とダメ押しされる。
もうこれは「現状維持」がやっとだなとその時悟りました。無理してペース上げても完全に持たないだろうと。しかも天気が完全に快晴で、時間が経つにつれて気温も上がってきました。この先またひとつ暑さという厄介な敵が、、、。
磐梯山を望む。
この写真をランニングクラブのグループLINEに「ぼちぼちです」と送信して間もなく、マダム3に抜かれました。
ていうか長い距離のマダムは速いですよね。
SOFTFLASK
どんどん下っていくのに比例して気温が上がっていくのを感じていました。ああ、暑い。やぱり暑い日に走るもんじゃないよね~、と思いながらもスカイライン内では日当たりがよく(だから景色も良い)、直射日光をガンガン浴びます。ペースも落ち、ガーミンにはちらちらキロ7越える表示も。
特にスカイラインを終え、旧土湯街道に入って間もなく鷲倉温泉から野地温泉へと続くあたりの日光がかなりきつかった。日当たりが無駄に良い。また、このあたりはスカイラインでほぼ下ってきたのが少し落ち着き、平らな区間に入ります。下ってからの平ら=登り。そんな感覚。距離で言うと43~48kmあたり。ここは結構ぐっと来ます。フルの距離を越え、少しマンネリを感じメンタルにくる頃でもあります。とにかくしんどかったー。
と、ここで予想もしなかった、いやよく考えれば防げたプチトラブルが発生します。
この区間の日差しがとてもきつくて嫌だったので、ちょっとでもリフレッシュしたいと我慢していたコーラを解禁することにしたのです。コーラの効果はこれまでのフル、ウルトラでもその実体験済み。このがんばりどころでコーラの力を借りよう!そしてエイドに到着し、今回はソフトフラスクにコーラを補充してもらいました。約500ml。
ソフトフラスクにコーラ満杯補充。
ソフトフラスクにコーラ。
一口ぐっと吸う。うまい。生き返る。
走る。
ソフトフラスク揺れる。
揺れる。
走る。
ああ、揺れてるなあ。
特に気にせず走る。
揺れる。
少し左胸(ソフトフラスクが入っているポケットのほう)に圧迫感。
ちょっと揺れが収まったような感じが。
走る。
ん、なんかおかしい。
左胸のソフトフラスクを覗く。
ぬおおおおああっ!!!!
ソフトフラスク、パッツンパッツン!!!!
風船みたいになってる!!!!
こいつはやべえ、炭酸で爆発する!とプチパニック(写真を撮っておけばよかったがそれどころじゃない)。ソフトフラスクがポケットの中で揺れないようにとポケットの口をギュッとすぼめられるようになっているのだが、それを解いてもポケットいっぱいにソフトフラスクが膨らんでいてなかなか取れない。こいつはマジでやばいと歩きながら必死にポケットから取り出す。
なんとか取り出せたソフトフラスクのパッツンパッツンさ!
ちょっと面白かった。
とはいえそのままでは本当に爆発しそうだったので、それを回避すべく飲み口をすっとくわえた。
くわえた。
くわえた?!
そう、くわえたんです。
そして。
飲み口を優しくかんだ瞬間。
本当に優しくかみました。
その瞬間。
ブシュウウウッツーー!!!
口の中へ炭酸逆噴射。
ウェ、ゴホッ、ゴホッ。
ウェ、ゴホッ、ゴホッ。
ソフトフラスクにコーラを入れて走るのはやめましょう。
万が一入れたとしても、くわえず、蓋をそっとあけましょう。
私からのお願いです(誰もしません)。
新緑日陰トンネルハッピータイム
ああ、ブログネタもできてよかったわと思いながらきつい区間をやり過ごすとですね、このコース内おすすめの超気持ちいい新緑日陰トンネルが待っているんです!
こんな感じ!
、、、って写真を撮ればよかったのですが、気持ちよすぎて止まるのもったいないですから、もうニタニタしながら走りましたよ(だから写真がないので分かりづらい)。いや、なんとしても伝えたいと思い、ネットで探したらありました土湯旧道新緑の頃の写真。
(ネットより転載失礼致します)
この感じです、この感じ。
日照りからこの新緑日陰トンネル。
何にもないじゃんと思われるでしょうが、この緑、空気、静けさ、すごく気持ちいいですよ。完全日陰ではなくて、木々の葉の間から日が漏れるところがキラキラしたりするのもいい。新緑の初夏の風の匂いと日陰の涼しさ、もう最高のハッピータイムです。区間で言うと49~57kmぐらいです。ここまでなんとかキロ7を保っていたものの、ハッピータイム区間ではキロ630まで上げれました(それだけかよ)。
ラストスパートは死にかける
ハッピータイムが終わりを迎えるといよいよ残り10kmを切り、タイムを意識し始めます。残り約10kmのところで、8時間切るにはキロ7でギリギリぐらいか。ハッピータイムのいい流れのまま行ければ大丈夫だろうと高をくくっていたのだけれど、やっぱり体はどんどん疲労していきます。
残り7,8kmで何度か峠走で走っているコースに入りました。峠走の時にはキロ430ぐらいでバタバタ降りていくところもキロ630がやっと。んー、あせる。7時間台のゴールと8時間台のゴールでは雲泥の差だ。極端な話、8時間1秒のタイムよりも7時間59分59秒の方が速く感じる。ここはなんとしてでも8時間切りを死守したい。
CBS最後のエイドはゴールまで約4.5kmのサンスカイ土湯のところにあります。去年もそうでしたが、ここのエイドのお姉さんの元気がとてもいい!エイドが見え始め、こちらを確認した途端に「おーい、がんばれー!」と声をかけてくれます。今年もそうで、おっ、いよいよ終わりが近いなと感じました。
ただ今年は8時間切りが見えていて、ここは泣く泣くスルーだと、
私「ありがとうございまーす、行きまーす!」
と手を振り駆け抜けます(キロ630で)。
エイドのお姉さん「ラストスパートー!」
元気が出ます。
しかし、この直後から異変が。
このあと国道115号のところでタイミング悪く信号待ちとなりました。ちょっと休めるかと少なくなったスポドリ(コーラじゃなくて)を補給。信号が青に変わったところで道路を渡り、どれ一気に降りるかと思ったのだが、なんか体が重い。そして、舌の横側が異様に乾いた感じがする。もう一度スポドリを飲むがすぐ舌が乾く。体が動かない。
ああ、熱中症かなんかかなあと直感的に感じたが、もうすでに時遅しで体が本当に動かなくなってきた。ちょっとクラクラもする。8時間切りが見えてきたところで止まるわけには行かないと必死でキロ7をキープ。このラスト2kmぐらいで、マダム2を含む5,6人に抜かれてしまいました。程よい下りなのに全然スピードが上げれません。
辛い時の1kmは本当に長い。何回か歩こうかとも思いました。ただもう歩いてしまったら動き出すのも辛そうだったので我慢しかありません。超苦しい、それこそマダムに言われた「死にそうな顔」をしていたことでしょう。ここまでクラクラしたのは初めてでした。
ゴール
死にそうになりながらもゴールの四季の里内に入ってきました。四季の里内では、いたって普通の家族の休日の風景が広がっています。
CBSは特に宣伝も何もしていないので、そんなほのぼのした初夏の風景の中に、1人死にそうなおっさんが走っている。もうちょっとなんかアナウンスしてくれると遊びに来ていた人も応援してくれるかなあとも思うのですが、一般の方は誰一人励ましてくれません(笑)
ちらりとガーミンを見ると8時間は大丈夫そう。いつものゴール直前ダッシュをしたかったが、今回は本当に倒れそうだったのでやめました。
7時間57分台。無事2回目のCBS完走です。
水、スイカ、風呂
ゴール後はテント下でしばらく動けませんでした。ゴール後にもらった冷たい水をあっという間に飲み干しても喉が渇く。軽く気持ち悪い。15分ぐらいはいわゆる矢吹ジョー状態でしたね。やっと落ち着いたところで完走証用の写真を撮ってもらい、スイカを食べ、無料では入れる温泉へと向かいました。温泉はランナーで超混雑もとても気持ちよかったです。あ、この時乳首保護テープ外すのを忘れてて、間抜けな感じだったと思います。
と、こんな感じで2回目のCBSは終了です。2回目は足の故障もなく、大会を満喫できてとても良かったです。次の日光、長めのトレイルに向けて良い練習ともなりました。夏シーズン突入、楽しかったです!
CBS終わり。