白鳥ランデヴー

日曜日の朝、6時起床。

本当は5時に起きて30kmぐらい走りたかったのだが二度寝。6時過ぎてしまったら帰りが遅くなってしまうので20km程度と決めて出発。ウルトラに向けてスタミナつけたいと言っておきながら、はじめからなかなかの手抜きっぷりである。

なんとなく久しぶりになってしまった河川敷コースへ。

河川敷へ入るとすぐ白鳥たちが大勢ワーワーしていた。

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以前は場所によっては白鳥を間近で見られる(えさなどあげれた)ところがあったのだが、震災やら何やらで入れなくなってしまった。とはいえ鳥達はこの川へやってきてはワイワイやっている。まあ、この辺では特に特別なこともなく、ごく日常的な風景を見ながら黙々と走ってきた。

ずっと河川敷を北上していくのだが、ある場所を通過した時、あるべきものがないことに気づいた。あるべきものというかそこにあったはずのもの。

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川沿いに昔からあったラブホテルがない。あ、今の時代ファッションホテルとかブティックホテルとか言うのか。それじゃあなんか意味分からないな。ラブホテルでいいや。

そのホテルの名はホテル白鳥。物心ついたときにはそこにあった(というかラブホテルであるという認識ができるようになった高校のころ、つまり20年以上前)し、ホテルの入り口の古めかしい白鳥のイラストと部屋の見取り図に、空室か満室か分かるように付けられた赤と緑の豆電球がとてもレトロな雰囲気を醸し出していた。川には多くの白鳥たちがやってくるのと同じように、ホテル白鳥にも多くの“鳥”たちがやってきて、様々な愛の形を作っては去っていったのだろう。時代的な移り変わりをひしひしと感じながらもどこかセンチメンタルな気分になってしまう。私もだいぶ年をとってきているようだ。

ホテル白鳥はなくなってしまったようだが、この手の古い店舗やお店などの商売が、そもそも経営的にうまくやれているのかどうか、ふと気になることがある。小さな町の小さな商店がなぜつぶれずにやれているのかといったようなことだ。まったくもって余計なお世話なのだが、やはりここまで長い間経営をしていたと言うことはそれなりに利益が出ていたということだと思うし、ならばはたしてどうやってうまいこと儲けて店舗を続けてきたのだろうか。

ラブホテルとは関係ないが、そんなことを曲にした人たちがいた。


U-zhaan × rei harakami - 川越ランデヴー

「川越ランデヴー」という曲。タブラ奏者のユザーンと、亡くなってしまったがとても大好きだったレイハラカミが作った曲。川越にあるごぼう専門店を題材にしていて、その独特な雰囲気が良くてよく聴いた曲。貼った動画のようにリアルでお店に行った、とても心温まるドキュメンタリーもあった。


U-zhaan × rei harakami / リアル"川越ランデヴー"

先にも書いたような率直な疑問と、実際には想像に及ばない中の人たちのリアルとが、実際に会うことでそーっと繋がっていく感じがとても面白いと思った。決して冷やかしをしているわけではなく、素朴な疑問と川越のたしかにそこにある日常が織り成す雰囲気とメロディー。レイハラカミのトラックの浮遊感も心地よい。

 

こんなセンチメンタルな曲を聴きながらランニングするのも良さそうだ。

それから、白鳥たちはこれからどこへ行くのかな。