飯テロに立ち向かう

日光ウルトラレポを終え、いよいよ次へ向けて動き始める。ウルトラ後に足の痛みが残ってしまっていたのだが、先日の練習会から中1日。すっと痛みが和らいだ。練習会が楽しかったからだろうか。

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少しペースを早めても痛くない。治った。

さあ、次は初めての5kmのレース。昨日も久しぶりの水曜日のインターバルでやる気を盛り上げる。

 

さて。

ラーメンはとても美味しい。

ラーメンが大好きだ。

 

しかし、ランナーにとってラーメンはいわゆる地雷のようなもの。高カロリー、高脂肪。一度地雷を踏めば脂肪がドン。食べてしまったらその罪悪感を払拭すべく、ランでつじつまを合わせようとするも、その高カロリーゆえ、一杯食べたらハーフぐらい走らねば取り返せない。

 

少し体重を落としたいと考えていた私は、ここのところラーメンを控えようとしていた。実際のところ、走ってんのにあんまり痩せないねと家族から言われるのは、根本的に甘いものが好きというのがあり、ラーメンを控えるよりそっちをやめれば良いのだが、そこは高カロリーのラーメン。控えたらいいんじゃないかととばっちりをくう。

 

ラーメンを食したい欲望と戦う日々。

そんな戦いの最中に。ここ数日のはてブロランナーラーメン記事の飯テロ。

飯テロには屈しない。

一度でも譲歩してしまったら、さらなる悲劇を生んでしまう。強い意志を持って、断固として飯テロに立ち向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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無理。

屈した。

こばやの福島醤油豚骨。

継ぎ足しされた濃厚豚骨スープは、多少のざらつきを感じる時もあるほどのその濃厚さは好き嫌いが分かれるかもしれないが、今の私にとってランキング1位の一杯だ。ちなみにこばやの定番、自家製手打ちちぢれ麺の煮干し中華、こちらはランキング外。ランキングするまでもない殿堂入り、永世名人的一杯ということである。

 

もう二度とラーメンを控える、食べないとか言わない。食べたい時に節度を持って楽しむ。

 

嗚呼、ラーメンってなんて美味しい食べ物なんだろう。久しぶり(と言っても1ヶ月未満)の福島醤油豚骨の味を噛みしめながら店員さんに一言。

 

「替え玉ください。」

【第1回日光100kmウルトラマラソン挑戦⑦】「走るのに夢中。ゴール。」

ギリギリの第四関門通過。

 

次の関門は90kmすぐ手前。15kmを2時間。キロ8以内で行かなければならない。疲労が十分にたまってきているから、何が起こるか分からない。関門通過にほっとしたが、ゆっくりもしていられないので、早々にエイドを出る。第四関門通過するのに必死のキロ6をして体が少しほぐれたのだろうか。わずかだが体が軽くなった。早めに貯金を少しでも作りたい。エイドを出るとすぐ、東武ワールドスクエアにコースが向いてく。

正直、ここは?だった。むりやりコースに組み込んだ感。関門エイド出て、ものの1,2kmでまたエイド。ワールドスクエア入り口から駐車場、園内に少し入るところまで、狭いところをうねうねと走らされる。なかなか園内に入らない。さきほどの江戸村もそうだったが、入るまでが長くて、園内に入ったと思ったらほんの一部。ピラミッド脇を走るが、素通り。見てる場合じゃない。もう少し余裕があれば楽しめただろうに。写真とか撮ったりして。園内にオールスポーツがいて写真にとられていたが、ガッツポーズはしているものの、ただただ疲労困憊した姿が写っていた。

ここからはペースの波は大きいものの、走ることに集中はできていた。とにかく第五関門まで行ければ完走が見えてくる。80kmを過ぎるともうすぐだという意識に切り替わり、進みが早く感じた。「まだ20kmもあるのか、、、」と「あと20kmしかない」の意識の違いがメンタルに与える影響が大きく異なることをさらに実感した。後ろ向きの思考はとことん体を動かなくさせる。距離が長くなればなるほどに。

 走るのに夢中だった。ドラマチックなことは何もない。ただ前に進むだけ。終盤信号待ちが多かったが、先を見て、赤になりそうだったら走りをやめ歩いて調整した。ちょっとの上りでもきつかったが歩かなかった。少し日差しが出てきたが、ほんの少しだけ。エイドごとに最低3回水かぶり。大活躍のマジックールも少し疲れてきたみたい。清涼感が減ってきていた。

 

第五関門、5分前到着。

 

それほど貯金できなかったが、この到着は大きい。完走がぐっと近くなった。ここを通過できれば、ゴールまでは10kmちょっとを1時間半で走ればいい。前の関門より多少ゆるくはなる。もうすぐだ。思考も前を向いている。しかし、ここでもトイレ問題。このエイドでもトイレ2基で6人ほど並んでいる。若干尿意があるのでここで済ませておきたい。早く出たかったがこれも少しは休憩になるかと我慢。

 んー、トイレの列が前に進まない。1人の時間が長い。気分的にイライラしてしまう。特にあと2人となったところでの1人がやたら長い。その長い人の友人だったのだろう(待っている時話をしていたから)、その人も友人が長いことがちょっと気になったのか、「長いですね、、、。私はすぐ終わりますから、、、。」と申し訳なそう。二人顔を合わせて苦笑い。案の定、その方が友人より早く出てきた。「すいません、、、。隣まだですね。どうぞどうぞ。」気を使っていただいて申し訳ない。結局、これが最後にはならず、もう一回トイレ。数えはしなかったが、おそらく10回程。平均待ち時間3分ほどで30分はトイレタイムだった。ウルトラトイレだ。

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さあ、ゴールまでラスト10km。体もまだ動く、完走が見えてきた。

さてここで、もう一度この大会のコース高低表を見ていただこう。

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なんといっても前半30kmの上りが目をひき、あとは下ればその先ほぼ平坦の印象を誰もが持つだろう。私もその一人。だが、よく見てもらいたい。90km以降。ゴールに向けて上がっている。しかも、高度の目盛りは1メモリ100m。なので、そこそこ上っているのだ。これ、マラソン大会コース高低図のマジックで、前半が極端なだけに、後半は楽そうだと勘違いしてしまうのだ。あの鬼階段もそう。この高低図では分からない。

 

実際、ほぼ上りで気が滅入りそうになる。

しんどかったけど、もうあと10kmで終わってしまうと考えると体は思っている以上に動いた。残っている力でラストスパートだと思って走った。

ペースはキロ7。遅いのに上りとも相まって息が上がる。

「ハーッ、ハーッ」自然と息遣いが荒くなる。

ただ、「ハーッ、ハーッ」と息を強く吐くと体が動くように感じる。

いろんな大会でよく見るが、とくに年配のランナーの方で、すごく息遣いの荒い方、声を出して走る方がいる。結構それをされると気になって、うるさいなあと集中できなくなってしまうことがある。それをやってしまっていた。自然とそうなった。時々ひとりごちて気合を入れたりした。やっぱりそうすると力が出るような気がした。そうやって走る気持ちもようやく分かった。次からはそんなランナーに寛容になれるはず。

 

前方、先に傾斜がきつそうな坂が見える。

またかと思えど気力は十分。

ハーハー息は荒いが、腕も振れて、上れる。

その坂で、第五関門のトイレ待ちで、友人の長トイレを気にしていた方を追い越す。その後のトイレでまた抜かされていたようだ。

息の荒いおじさんが来たもんだから後ろを振り向いたのだろう。お互い気付いた。

トイレ男性「おー、ナイスランです!」

ほぼ周りは歩いていた。

私「最後がんばりましょう!」

私は下を向いたまま上り続けた。

 

残り5キロを過ぎたところで、完走できると確信した。まだ体が動く。

そして何よりも走ることに夢中だ。

とても遅いペースだけれども、とても充実して走っている。

ラスト2kmぐらいで調子に乗って、できるかどうか試しにグッとペースを上げてみた。5分前半ぐらいまで上がったが100mしか持たなかった。そりゃそうだ。

 

ラスト1km。

ここが一番グッときた。

走れたんだなとさらに実感した。

ゴール前で待つ娘たちを想像した。

周りのランナーの雰囲気も明るくなってきた。

信号待ちになると、「もうすぐ」「やったなあ」と言う声も聞こえてきた。

 

 ゴールの今市運動公園の入り口を曲がる。

沿道からはすでにゴールしたランナーなどが応援してくれる。

ハイタッチをする。

帰ってきた。

ゴールの球場入口まで100m切ったところで長女と二女発見!

なんかおもちゃの刀を持っている。江戸村で買ったな。

長女と二女をコースに入れる。

私「一緒にゴールしよ!」

長女・二女「いいの?!」

長女は恥ずかしげに手をつなぐ。二女は片手に刀。

一応、スタッフの方に聞く。

私「一緒にゴールしてもいいですか?」

ス「どうぞどうぞ!もちろん!」

夢が叶った。

球場入り口で妻に抱っこされていた三女もおりて手をつなぐ。

みんな揃った。

球場に入るとゴールゲートが見えた。

ちょっと名前が呼ばれたかどうかは覚えていない。

やれた。

良かった。

娘たちも笑っている。

 

が、ゴール前でテープを切るための渋滞。

渋滞に並ぶ。

私「パパやったよ」

長女「うん」

 

ゴールテープを切る順番がきた。

「せーの」

「やったー!」

長女は恥ずかしげに、二女は思いっきり、三女は不思議そうに手をあげた。

 

100km無事、制限時間内、完走。

終わった。

充実!

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不安だらけの100kmウルトラだったが、やっぱり走って良かった。

走ってみる価値はある。

100km走って何が変わったかと言われると、あまり何も変わってないかもしれない。タイムも速いわけではないし、余裕だってなかった。しかし、100km走った事実がそこにある。私は走ることができた。それだけでも十分だ。100km走れたのです。何も変わらないことが分かるのも走らなければわからない。

少なくとも私にとってこの100kmはとても意義あるものだった。

 

第1回日光100kmウルトラマラソンのサマリー。

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天気は当初真夏日の予報がはずれ、走りやすい状況となりとても良かった。ほぼ曇りで、風が強いと感じたのも中禅寺湖あたりだけ。天気は本当に良かった。

ゴールの瞬間の写真、妻はワタワタしててうまく撮れなかった。オールスポーツの写真を見たら、ちょうど三女の顔にゴールテープがかかり、週刊誌のスクープ写真みたいになってしまっていた。ゴールテープ切る前の三人並んだ写真、これは初オールスポーツ写真購入としよう。

 

最後に、家族へ。

 エントリー費が高いとか、走ってる間どうするのとか、前日旅館が臭いとか、食堂がこわいとか、いろいろあったけれども、

 100km走らせてくれてありがとう。

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【第1回日光100kmウルトラマラソン挑戦⑥】「必死のキロ6、関門勝負」

さてさて、日光ウルトラ中間地点、第三関門(51km)到着。

 

やはり下り基調の関門区間で少し時間を稼ぎ、制限時間まで40分弱の猶予。お楽しみのパンパンに詰まったドロップバッグを引き取る。心配性、走力不足・不安等があって荷物が大きくなってしまうのだが、この辺無駄をそぎ落として、そんな軽装で大丈夫かよってぐらいの方がかっこいいことってありますよね。これだけありゃ十分だよと。初めてということもあるし、走力も不安だらけなので次回でるとしても、またドロップバックはパンパンだろうな。

まずは景気づけに支給されたエナジードリンクを飲む。

ファイテン(phiten) エナジードライ 250ml×1本 0615EG600000
 

ぐっと喉に流し込むと、強めの炭酸から伝わる何かがみなぎる感が!

この手のドリンク(モンスターとかレッドブルとか)を飲むのは初めてだったのだが、これがカフェインの効果かと感心した。ほんとみなぎった。合わせてアミノBCAAを経口補水液で流し込む。後半持ってくれよ体力。

そしてもう一つのお楽しみ、二女からの手紙(半強制)。中間地点で凹んでいることを予想し、ここで開封する。

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すごいパワーの数。

パワーみなぎる。

狙ったのかどうかわからないが、LINEのキャラが応援してるっぽい。が、よく見ると勢いよく腹を出しているだけで、どういう状況なのか全くわからない。

足に力がみなぎったところで、替えの靴、靴下を準備していたが、足の状態はそれほど悪くなく、マメも出来ていない状況だったのでこのまま行くことにした。ただ、少し足がむくれてきた感があったので紐を緩め気味に調整。そして、汗だくになったTシャツも交換。中にはファイントラックのスキンメッシュを着ていたのでそれを脱いで少し乾かす。

素肌まで一枚壁があると違うものなんだなあと実感。ただ、後半は常に水をかぶりまくるので、そこまで意味は、、、。

体を拭き、新しいTシャツに着替えると気分爽快。そして締めに冷汗制汗スプレーを体に吹きかける。

ギャツビー アイスデオドラントスプレー アイスフルーティ 135g (医薬部外品)

ギャツビー アイスデオドラントスプレー アイスフルーティ 135g (医薬部外品)

 

 こいつ、良かった。冷え冷え感がとても気持ち良かった。その効果はそれほど長続きしなかった(さらに汗をかいたりするので。ただ、5kmぐらいは冷えていた)のが残念で、使ってすぐドロップバックに戻してしまったのを後悔した。おまけでくっついてきた小さい缶を持っていったらまた違ったかなあ。GATSBYといえば中高生というイメージがなんとなく強く、おじさん的には若干躊躇しながら購入したものだったが、これは良かった。暑いウルトラ時、制限時間ギリギリランナーにはおすすめの一品だ。

着替えを済ませ、うんまい給食へ。パンと湯葉の揚げたやつ、梅干しをいただく。エイドのおばさんと世間話をしながら。話をすると気も紛れていい。ちょっと胃が固形物を受け付けにくくなっているような気はしていたので、パンは少し食べにくかった、、、。もっと食べるようにしないと、エネルギーが切れてしまうよなあ。

そして最後にトイレへ。このトイレが毎回待たされる。エイドにあるトイレ仮設は基本2基のみ。毎度並んでいるのでそれだけかなりのロス。今大会で15分から20分位はトイレに使ってしまったと思う。これがあと1、2基増えるだけで違うと思う。

トイレも済ませ、ここまで約20分。結構時間を使ってしまった。周りを見渡すとぐったりしてる人多数。リタイア用か、収容バスも結構ある。「ちょっと先で倒れている人がいます!」なんて出来事も。こわい。この先何が起こるか分からないので気持急ぎ目で出発する。次に目指すは日光江戸村だ。

 

50~75km区間。このレースで一番辛い区間だった。関門過ぎてスッキリしたのもつかの間、下り基調だったコースも60km過ぎからそれも終わり、ゆるーく上ったり下ったり。メンタル的にも絶対思ってはいけない、「ここからフル1本かあ、、、。」とかマイナス思考がガンガン出てくる。きつい。なので走りに集中するため、ここからの写真はなし。写真を撮っている場合でもなかった。

鬼怒川へ向け、若干上り基調となる。次に目指す江戸村。そこまでがほんと辛すぎて辛すぎて、涙。家族は大会に出場するともらえるスペシャルチケットを使って江戸村に行っている。さきほどの関門で電話した時には江戸村をそれなりに堪能しているということだった。何時になるかは分からないが今から向かうと伝えた。電話の向こうでは何やら楽しげな声も。早く行きたい。

なにがつらいって、ゆるーく上っていく中で、江戸村への看板が出てくるわけですよ。江戸村はこちらって。それが何ヵ所もあるんだけど、一向に江戸村が見えてこない。そんなの事前にキロ数調べておけば済むのだけれど、走る前には高低表しか見ていないので、いろは坂上って下ったらあとは平坦ぐらいの意識しか持っていない。そこでなかなか現れないもんだから、もう泣きたくなってくる。ずーっとしれーっと上ってるし。

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(GoogleMapより)

江戸村着いたが案の定ここじゃない。入口どこ!!

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(GoogleMapより)

先へ進むと長い白壁。この先を見通せる、且つ上り、且つ入口見えずの三重苦。この辛さは走らないと分からないだろうなあ。そしてやっとこの白壁の切れ目が江戸村の入り口で、江戸村エイドに突入する。

江戸村はいる前にかぶり水。日差しはないものの蒸し暑い。後半はエイドごとにかぶり水。500mlのソフトフラスクに水をもらい、ちょこちょこ首、頭にかけて進んだ。江戸村に入ると江戸の人たちのお出迎え。園内にはいると言ってもホントわずかでエイドも水と飴ぐらいのみ。多少江戸感はあるけれども疲れている体には、、、。ニャンマゲがいなかったのが残念。時間もないし家族を呼んでも時間がかかってしまうなと思い、あきらめて先に行こうとしたその時、園内の向こうに見覚えのある小さい女の子が二人、人だかりの後ろにいる!!「〇〇!!」と呼ぶが気付かず、ここは面倒だがザックからスマホを取り出し電話。コース内と園内区切られているところで合うことができた。このままだと制限時間ぎりぎりぐらいだとゴール予想時間を伝え、ハイタッチして一旦お別れ。最悪のメンタルだったのにほんの少し元気になるから不思議だ。あとから聞いたのだが、私が見つけた時何をしていたかというと、何やら路上で裁判をしていてそれを野次馬のごとく見ていたらしい。何の裁判だったのだろう、、、。

 

江戸村を出て、ここから10kmほど、ほぼ記憶がない。

1kmラップも8分30~9分。69kmぐらいのエイドがあった区間(もしくはプラス信号待ちとか)では14分もかかっている。間違いなくダレた。思いっきりダレた。

 

そんなだダレた私にこのレース一番のピンチが訪れる。

ほぼ記憶がないと書いた通り、この辺りでは何にも考えないでダラダラ進んでいた。そのまま72km付近、これから鬼怒川温泉街を通過する入口あたりで、前方に信号待ちをしている群れが見えた。群れに近づくとランナーとスタッフの会話が聞こえてくる。

 

女性ランナー①「次の関門までどのぐらいですか?」

スタッフ「2.5kmぐらいですね。関門閉鎖まであと16,7分ぐらいですから、、、どうでしょう、、、。」

信号待ちランナ一同、ざわつく。

女性ランナー②「キロ6分切って行けばなんとかなりますよね?!」

女ラ①「みなさん、ここまで来たんだからがんばりましょう!!」

信号待ちランナ一同、やるしかない雰囲気。

女ラ②「ここからは下りですよね?!」

スタッフ「いや、ここ下って先の橋を渡ると上りで、、、。」

 

今思うとこの時のスタッフの言葉は優しさだったのか。

 

女ラ②「ここまで来たらあとは下りかと思ってた、、、。もう行くしかないですね!ああ、もう信号行ってもいいですか~(笑」

 完全にボーっとしていた。関門までそんなに時間がないなんて全く考えていなかった。大会前にもらったランナーズカードがペース表作らなくていいなんて喜んでたのに、お尻のポッケに入れてて、水かぶりしたもんだからぐちゃぐちゃで取り出せず。完全に迂闊だった。

この状態でキロ6出せるとは思わなかった。

ただ、関門通過できなかったらすべてが終わる。

それだけは勘弁だった。

 

信号が変わると皆一斉に走り出す。

みんな必死だ。

ここから、トライアスリートだろうか、サイクリングシャツを着た女性ランナー(女ラ②)と並走させていただく。キロ6出すしかない。普段ならJOGペースなのに、ここまで来ると感覚的にはキロ4分半ぐらいのイメージだ。

女ラ②さんと時計のペースを見ながら下る。今の状態でのほぼ全力。信号渡って、すぐ下り鬼怒川温泉街へ方向を向く。するとすぐ橋へ向かう曲がり角が見えた。

 

角を曲がる。

橋だ。

ん、この橋の欄干どっかで、、、。

あ、あの前日の旅館府フロントから見えた綺麗な橋!

tomsai.hatenablog.com

ああ、この橋を渡るんだ、、、。知らなかった。こんな思いで渡るなんて。あのダジャレおやじめ(八つ当たり)。必死のキロ6で目線は低い。ふと顔を上げると、

 

んっ?!

 

えっ?!

 

はっ?!

 

私「えぇええぇええっっ!!!」思いっきり声が出た。

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(ネット、栃ナビHPより)

女ラ②「えーっ!」(と言った記憶)

 

なんか鬼がいるんだが。金棒持って。

私「マジかよ、、、。鬼いますけど。」

私「行くしかないですね。」

 

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(RUNNET 週刊ランナーズより)

 

70km過ぎてのこの鬼階段、この鬼の顔!

これぞ苦笑いってやつをやった。笑える。

いろは坂よりきつい。しかもこちとら関門ギリギリ!

みんなうなだれてるよ。

 

しかたがない。登らなきゃ終わり。

ももに手をやり、上は見ない。

無。

できるだけ無。

修行。

無。

足、重っつっつうつttp!?!?

 

涙目で上りきる。

女ラ②さんもほぼ同時に。

私「ここからですね、、、。」

 

ここから自分でもびっくりするぐらい足が動いた。とはいってもせいぜいキロ5分半~6分だが。女性ランナーと並走して、くたばっていくのはカッコわるいというのもあるし、何としてでも関門を突破しないと全てが終わるから!

鬼怒川の温泉街を駆け抜ける。

ガーミンでペース確認して。

私「キロ6分切れてます、このままあと1km、、、」

温泉街若干下りめになったところで踏ん張る。

残りの距離を言いながら並走。

このままいければなんとかなるか。

しかし、あの鬼。一生忘れない。

 

ここでひとつまた落とし穴。

私がちょくちょく報告している残り距離、これもちろん誤差あり。なので、あと少しだと思ってもなかなか関門が見えてこない。

女ラ②「まだですかね、、、。」

私「もう少しだと思うんですが、、、。」

ここまでの距離の誤差も把握せず、恥ずかしい限り。すみません。

 

残り数100m、たぶん。

目の前には跨線橋の上りが、、、。

必死に上る。

上りきると国道にかかる信号。

信号待ち。

信号待ちランナー、一同「ああ、はやくー」

 

青に変わる直前、皆が動き出す。

信号を真っ先に飛び出した男性が、少し行って曲がり角で後ろを振り向く。

男ラ「すぐ関門です!!!」

その声に周りが安堵の雰囲気に。

ああ、声にならないような声。

 

走る。

走る。

 

第四関門藤原運動公園、閉鎖2分前、到着。

良かった。なんとか間に合った。

しかしよく走れたもんだ。あの並走してくれた(こっちから勝手に並走した?)女性ランナーさんのおかげだ。ありがとうございますとお礼を言ったかどうか覚えていない。その後の関門で少し見かけたような気もするが、時間内ゴールできただろうか。ていうか私より先にゴールしてるかな。本当にありがとうございました。

 

あと少し遅れてて、あの関門ギリギリであることに気付いた信号待ちに出くわさなかったら。そこに居合わせた人たちが行きましょうと言ってくれなかったら。私は第四関門を通過できなかった。あそこにいてくれた方々ありがとう。

 

朝見たYahooのおとめ座運勢96点は伊達じゃなかった。ついてた。

本当に良かった!

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 50~60kmのラップは20分休憩込み。60~70kmがやはり一番ダレた区間で最も時間がかかった区間だった。いろは坂上りよりかかってる。

 

あと一つ来年日光ウルトラ100km走ろうと思っている方に教えます。

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高低表のこの突起、おそらく鬼階段DEATH!!!

 

次の関門が最後、90km付近。また関門との勝負だが、それを過ぎればゴールが見えてくる。そこまでまたギリギリでは心臓に悪い。完走するには少しでも早く出発せねば。

 

第四関門に到着したのもつかの間、補給してすぐ、次の関門を目指した。

 

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