【OSJ安達太良山トレイル50K 完走記】⑤鉄山避難小屋分岐2回目~GOAL

今朝体重が60.0kg台に突入!

嬉しくて調子に乗ってお菓子食ったり、ラーメン食ったりしてますがいよいよ目標達成が見えてきました。引き続きがんばります。それでは長かった道のりもようやく終わりが見えてきました。レポ始めます。

 

焦り→不安のボーナスタイム

4登目、野地温泉登山口から鬼面山、箕輪山、鉄山避難小屋分岐までの道のりは本当に辛かった。ここを乗り切れれば、第3関門まで制限時間内に到着できればほぼ時間内にゴールはできると競技説明会で言っていたので、我慢、ひたすら我慢するしかなかった。木にぶん殴られた左太もも側面はさらに痛み、前腿は両方ともバキバキ。登りは痛みが多少大丈夫だが下りはもう虫の息。特に急な下りは歩くのより遅くなる。

4登目をなんとか登りきり、分岐で案内していたスタッフの方に聞く。

私「第3関門まであとどのぐらいかかりますかね、、、。」

スタッフ「そうですね~、全部歩いてギリギリ、少し走ればちょっと余裕はでると思いますよ。」

走れれば、か、、、。分岐案内してる方々は地元のトレイルランニングクラブの方のところもあって、信頼性のある情報と思ってよい。今までのような急な下りじゃなければ、遅くても走れるんだけど、急な下りなら万事休す。トレイルの状況も聞けばよかったが、その時点でギリギリという言葉を聞くと焦ってしまい、足早に分岐を第3関門塩沢分岐へと歩みを進めた。

がんばって下らねばと思った矢先に走行禁止区間。道端にはきれいな高山植物の花が咲いており綺麗。トレイルは狭いが傾斜は緩やかで走りやすそうだったけれども歩くしかない。少しの休憩と思って早足で進む。

500m過ぎて走行禁止解除!始めのうちは若干急だったが、中盤頃になると傾斜がほどよく、道もそこまでマッドじゃないトレイルが現れた!おおー、これは走れるわー。いいぞー。1km7分台のところもあり、まさしくボーナスタイムである。結局3、4km程度は走れただろうか。雨は強くなってきたようだが木々に覆われているのでそこまで雨を感じない。ボーナスタイムでまたもやプチゾーンに突入するが、、、。

ふと、あれ、なんか寂しいなと感じた。

どのくらい気持ちよく下れてだろうか。30分ぐらい?

誰にも会っていない、、、。

そう思ったら一気に不安が。

特に分岐らしい分岐もなく迷うようなところでもないはず。コースの目印ピンクテープは特に迷うようなところではないのもあってか、1回見つけても次のテープまでの間隔までが長い。しかも走りやすいトレイルだから、障害物があった時に付けられているテープなどもない。ボーナスタイムなのに超不安!ガスも立ち込めていて、静かな森の中で自分の足音と息づかいだけが聞こえる。あー、不安。ピンクテープは出てくるので大丈夫。でもこのピンクテープが幻だったら!なんてことも考えてしまうんですね~。疲労困憊してくると。

不安を抱えたまま走り続け、徐々に下りの傾斜がきつくなってきて、いよいよ進むのがぐっと遅くなってきた。ふう、このぐらい走れればギリギリということはないだろうと安心しながらも急な下りはこれまた足にくる。力が入らないのです。関門まであと1、2kmだろうかと思ったとき、後方から「チリーン、チリーン」と熊鈴の音が。ああ、良かった~、間違えてはなかった。こっちは全然下れないのですぐに追いつかれる。

私「ああ、お疲れさまです。ここまで人に会いました?」

ランナー「いやあ、会わなかったです。」

私「そうですか~、私もずっと一人で不安だったんですよ~」

ランナー「あってると思いますよ」

嬉しかった。人の声。

ガーミンを見ると制限時間の12時間までまだ時間はある。おっと本当はもっと余裕があったんですけどね。30分制限時間を間違えていた。そしてガーミンの電池残量がいよいよ残り数%となっていた。

 

第3関門到着!何も知らずに飛び出す。

もうすぐ第3関門の看板が見えた。何とか間に合いそうだ。第3関門近くを示す少しのスライド区間にも入って、人が多くなってきた。人がいるってなんか嬉しい。スライド区間は道幅も広くいよいよ前方に第3関門入り口のコーンも見えてきた!

 

f:id:TOMSAI:20180907154805j:plain

(ちょびさんのブログより拝借)

第3関門到着!

到着タイムが11時間45分ぐらい。あーギリギリ。少し走れたのにギリギリかよと思っていたのですが、鉄山非難小屋分岐で案内してくれたスタッフの言う通り、実際の制限時間は12時間30分なのでちょっと余裕があった。知らぬが仏とでも言いましょうか、第3関門に着いても関門時間の張り紙を特に見ることもなく、エイドは長居不要を徹底。まだこの先何が起こるか分からないので、トイレ、水、補給をさっさと済ませて関門をあとに。ちょびさんに到着をLINEで伝えようとしたが、ネットワークが不安定で送信できず。大丈夫かなあと思いつつ、まずはがんばって完走しないと、ここから先ネットワークがつながったところで再度送ろうと思っていた。

第3関門到着が多分16時45分すぎぐらい。エイド滞在が多分5分ぐらい。ちょびさんがブログに書いていた第3関門到着が16時58分ぐらい。

アミスでした!

 

1歩1歩前に進むとコース内最大の恐怖

第3関門の塩沢登山口を出てここから最後の山登り、5登目。ただ、ここからくろがね小屋までは今までの山に比べたら登る高さがぐっと減る。最後はちょっと楽なのです。もうここからは福島出身の女性登山家、田部井さんのあの言葉を思い出しながら登る。

「どんな山も1歩1歩。1歩、1歩、足を前に運べれば8000mの山でも登れる」

1歩1歩。

前に前に。

完走は大丈夫そうという安心感が出てきて、自分でもよくがんばったなあと感慨にふけりながら登り始めていた。辛くて辛くてやめたかったけどやめずに良かったと。もうちょっとがんばろうぜとめちゃくちゃ重い足を上げ続ける。

だんだん標高があがってくると、右手に沢の音が聞こえ始める。雨も若干強くなり、雨の音と沢の音の合唱。どのくらい登ったのだろうか、ふとトレイルから沢の音がするほうに目をやる。

あ、結構高い。高いぞ。

落ちたらやばいな、、、。雨で崩れたりしたらやばくないか、、、。

そんな道が多くなってきた。しかし、黙々と進むしかない。

岩がゴロゴロしてきた。

うー、やばい、塩沢登山口からくろがね小屋の登山道やばい!

滑落の恐怖!

もちろん写真を撮ってる余裕がないので、ここからネットで拝借した写真で少しでも雰囲気が分かればこれ幸い。崖下が見える写真ではないので恐怖は全然伝わらず、なんか楽しそうって感じですが、本当はもう崖のところを進んでいるので、高所恐怖症にとったらこんな恐怖なことはない!

 

f:id:TOMSAI:20180907162645j:plain

ほぼ道ないんですけど。右下結構な高さの崖。クライミングですか。しかも雨で岩が濡れていてツルツル。

 

f:id:TOMSAI:20180907162730j:plain

同じ場所で人が通っている写真がありました。何度も言いますが、右側は結構な高さの崖です。しかも、ここを通らなければいけない私、13時間以上動き続けている。なんなら止まると足プルプルする。恐怖。

 

f:id:TOMSAI:20180907164002j:plain

木があつらえてあるが、これまた壊れないか不安。ここにはスタッフがいた。スタッフにもちろん泣き言を言っておいた。「高所恐怖症で今が一番辛い」と。

 

f:id:TOMSAI:20180907164200j:plain

それと何箇所も沢を横切る丸太橋があった。

この写真の川は、まあ普通の流れのようですが、当日は雨のため増水。滑って落ちたら流される。

 

f:id:TOMSAI:20180907164340p:plain

秋の紅葉シーズンかなあ、楽しそうに渡っている。がしかし。当日は雨で丸太ツルツル。薄暗くヘッドランプ点灯中。しつこく言うが疲労困憊の体。もう怖いってー。くろがね小屋付近まで行くのに、終盤こんなのばっかりだったので、肉体的辛さと精神的辛さで大変だった。

 

馬車道ウイニングロードからのGOAL

GARMINの電池は切れた。12時間30分で。ウルトラの時は14時間弱でもったのだけれど、電池が劣化したのかな。GARMINは真っ暗に。それでも塩沢登山道の恐怖に打ち勝ちなんとかくろがね小屋手前分岐地点に到着!

あたりは真っ暗、雨がしとしと。ここからの林道は道は広いし、下りもそこまで急ではないので、足元に十分気をつけて転ばないようにすれば1時間ぐらいでゴールできそうだ。ちょびさんに連絡しなければと思ってスマホを取り出すが、引き続きネットワーク不安定の文字。ここはもうゴールで待ってくれていると信じて行くしかない。時刻は18時ちょい過ぎ。時間内完走は間違いない。

馬車道を下り始めた。どのくらいのペースで走れていたのだろうか。GARMINの記録には残っていないので分からないが、体感的に㌔8分ぐらいだろう。あたりはもうすでに真っ暗でヘッドランプの明かりは多少細かい雨に反射して見えづらい。そういえば塩沢登山道では誰にも抜かれず、ひとりぼっちでこれまた寂しかったが、馬車道に入った今もまだ一人だ。

5分ぐらい走っただろうか。後ろから急に大きな熊鈴の音。4、5人のグループが軽快に追い越していった。それからまたしばらく一人。夜間走しておいて良かった。それほど暗闇に対する恐怖はなかった。馬車道を下る間、大きめのカエル1匹、小さい野ネズミ1匹が前を横切ったがびびることはなかった。

馬車道ウィニングロード。ゆっくりだけどゴールに確実に進んでいる。ゴールができる安堵感と達成感と、こんなにきつい思いはもう二度と、、、という思いと入り乱れながら走った。一番強かったのは安堵感かな。自分を何度も褒めながら走った。

うねうね曲がる馬車道からゴールの明かりが見えた。前方に2人組みがいて抜く時に時間を聞いた。時間も大丈夫。残った力を振り絞って走り続ける。あとはちょびさんが待っててくれるかだ(笑)

 

見えた、ゴールゲート!

 

手前200mから最後のダッシュかます

「おかえりなさーい。まだ元気が残ってるねー!」

と、アナウンスのお兄さん。

いや、全然残ってないっす。

ゴール手前で歩き、控えめなガッツポーズでゴール。

14時間とちょっと。

長い長い一日がようやく終りました。

 

f:id:TOMSAI:20180907172539j:plain

速報では写真を加工しましたが、うまく撮れずに何度もスタッフの方に撮ってもらっちゃいました。真っ暗ゴール。

 

ゴール後、ちょびサポート

やっと終った。

あ、ちょびさんがいない。

あー、ぎりぎりって言ったからなあ。まだ来てないかあ。うまく連絡できればよかったけど。悪いことしたなあ。いや、そもそもなんか用事ができて来れなくなったのかな。でもねえ、来るなら少しは早めに来るよねー、なんて第3関門で私設エイドまで出していてくれたとは露知らず(笑)、勝手なことを思っていました。

さて、記録証もらいにと会場前に来たところで、

ち「〇〇さーん!(本名)」

おお、ちょびさんが現れた。

私「ああ、ゴールしちゃったよー、ちょっと前に(笑)」

ち「見れなかったー、すみません、でもすごいー!」

といろいろ褒めてくれました。

私「めちゃくちゃきつかったよ。100kmウルトラの方が全然楽だって。来年やってみて(笑)」

なんて話してると体全体が固まってきて動けなくなってきた、、、。足洗わないと会場に入れなくて、水洗い場は混んでてなかなか進まないし、もう疲れすぎて座りたかったので、記録証受け取りをちょびさんにお願いしてしまった。

f:id:TOMSAI:20180907173850j:plain

はいポーズ。

泥だらけで汗臭くて体痛くて寒くて震えてきた(笑)

そんな私にちょびさんはやさしくて、豚汁まで持ってきてくれました。さらにさらに、駐車場まで少し離れていたのでそこまで車で送ってもらうことに。完全なるちょびサポート。

f:id:TOMSAI:20180907174306j:plain

体ガチガチで泥を落とすのも超しんどい。

泥だらけなのもそうだけど、すげえ汗臭くなっているので大変申し訳なかったのだけども、「自分の車も臭いから大丈夫ですって。駐車場まできついですから~」と嫌な顔ひとつせず乗せてくれました。本当にありがとう!助かりましたー。

 

ということで、、、。

OSJ安達太良山トレイル50K、総距離約52km、累積標高約3800m、14時間の旅、終了です。あれから1週間経とうとしている今、辛くてもう次は、、、という気分から、やっぱり来年もっと成長してやってやるという気持ちがふつふつと湧いてきました。来年はもっと早く帰ってくる!

 

現場からは以上です。