スタート!
いよいよスタートの号砲。
だいたいのところから、だいたいな感じでみな飛び出していく。
今回の走りの目標としては、最低サブ4、あわよくば3時間50分を切ること。コースがきついことは分かっているので、足の具合によってはDNFまでありうるかとは覚悟していた。
ちょびさん、ブタロウさんはスタート直後にすーっと視界から消える。
私はクラブメンバーのOさんと併走。Oさんとは私が走り始めたころから一緒に大会に出たりしていた。走力もほぼ同じだが、Oさんはまだサブ4未達成。今回は結構意気込んでいるようだったので、私としてもいいところまで一緒に行ってサブ4達成のお手伝いをできたらなぁなんて思っていた(結果お手伝いなんて、自意識過剰にもほどがある結果に)。
スライドエール
【スタート~5km 26’25 ㌔517】
スタート直後から5kmの第一折り返しまで下り基調。
ここまでは傾斜もそれほどでもなく、スタートしたばかりには体を温めるのにちょうど良いだろう。Oさんと併走し、ガーミンラップを見ると㌔510~520の間で走っている。自分としては後半へたるのを考えたら㌔530ぐらいでも良いかなあと思っていたが、大会のテンションと下り基調で貯金とか欲も出て気持ち速めで入る。
この大会は周回するコースもあったりするのでスライド区間が多い。なんといっても今回は1人じゃないんでね。スライドしそうな時を見計らって中央のほうに寄っていった。
目標タイムからしてまずスライドするのはちょびさんだ。
先頭ランナーがダーっと過ぎてから、それほど間を空かずしてちょびさんが見えた。
クラブTなので分かりやすい。ふふ。
ちょ「〇X△X△〇!ウェーイ!」
私「〇X△X△〇!ウェーイ!」
ちょびさんが割とテンション高めだったのは覚えているが何て言ったのか、、、。それは私も一緒で、なんと言ったか覚えていないっす。ただ、楽しかった。
その後のスライド区間もとても軽快に走っていたように見えたちょびさんはテンションが高く、ブタロウさんとはわりとスマートにやわらかくハイタッチしてスライドした記憶。はてブロランナーさん方の大会レポでスライドでエール交換して元気でたというのをよく見ていたが、スライドしてハイタッチすると、これ本当にちょっと元気になるね。気合も入る。すごいもんだ、人間って。
ただし、すぐ現実に戻るけど。終盤は特に。
Oさんとの最後の会話
【5km~10km 27’02 ㌔524】
第一折り返しをすぎると今度はゆるい登り基調でスタート地点まで一旦戻る。
登りに入っても併走していたが、Oさんは「んー、今日はこれ以上あげれそうにないなあ、、、。」とちょっと弱気な発言。自分的にこのペースだとまだまだいけると思っていたが、何回も言うようだけど後半のアップダウンがあるから。これは終盤までずっと併走になるかなあと思っていた矢先。
尿意。
そういやこれも心配の一つではあった。寒かったし。
我慢できないほどではなかったが、スタート地点に戻るということはすぐ入れる仮設トイレがある。この先は仮設トイレが少ないよねと話しながら走っていたので、まあ一回入っておくかと。
スタート地点に戻ったところで、
私「ちょっと、早めにトイレ行っときますわ」
O「はいよー、すぐ追いつかれるだろうけど、、、。」
ささっとコース脇の仮設トイレに入り、速攻用を足す。ガーミン見ると30秒ぐらいで済ませていた。ナイスタイム。すぐ戻ったがOさんはちょっと人ごみに紛れ見えない。ま、すぐ追いつけるかなと、無理しない程度にOさんを追いかけようとした。
しかし。
先ほどの会話が、Oさんとのスライド時のエール交換を除く、最後の会話になろうとは。このときは思いもしなかった。
激坂みんなで風よけすれば怖くない
さて、11kmすぎ、早速来たぜ激坂。
走りながら撮った唯一の写真。
ここから2kmで100mほどダムの上まで登る。よーく見るとOさんがまだ視界に捕らえられている位置。ちょっと先でも見つけられるのはクラブTを着ていたから。Oさんは事前にグループウェアで新しいTシャツはグレーですよと写真も載せていたにもかかわらず、なぜか黒のTシャツと勘違いしていたらしく、
「あれ黒だと思って、ランパングレーにしたんだけど、、、」
「あー、グレーにグレーですね、、、。でもタイツとか黒だから大丈夫ですよ」
みたいな会話があって、探すにはグレーな男を探せば良かった。
さてさてきついのは2kmだけ。決して無理しないように登る。
そういえば忘れてた鋭い風の話。見事に激坂登る方向に向かい風だった。
ああひどい。
視線を下げ、大きい人の後ろにきもーち寄り気味で登る。
後ろにも人の気配。足音。みんな考えることは一緒。
なんかずっーと後ろにいて、「こいつ風よけしてんな」と思われても嫌なので、ちょっとよけさせてもらったら少し前に出て、違う風よけできる人の後ろに行く。なんてのを2,3人繰り返したが、所詮ローカルな大会でランナーは少ない。結局、前に誰もいなくなり、風を真っ向から受けるはめに。
しょうがない。
なんて1人で風と戦っている間、私の後ろでは登りはじめから登り終わるまで、ずーっと同じ足音が聞こえていた。
こんな時はお互い様だ。