さてさて、日光ウルトラ中間地点、第三関門(51km)到着。
やはり下り基調の関門区間で少し時間を稼ぎ、制限時間まで40分弱の猶予。お楽しみのパンパンに詰まったドロップバッグを引き取る。心配性、走力不足・不安等があって荷物が大きくなってしまうのだが、この辺無駄をそぎ落として、そんな軽装で大丈夫かよってぐらいの方がかっこいいことってありますよね。これだけありゃ十分だよと。初めてということもあるし、走力も不安だらけなので次回でるとしても、またドロップバックはパンパンだろうな。
まずは景気づけに支給されたエナジードリンクを飲む。
ぐっと喉に流し込むと、強めの炭酸から伝わる何かがみなぎる感が!
この手のドリンク(モンスターとかレッドブルとか)を飲むのは初めてだったのだが、これがカフェインの効果かと感心した。ほんとみなぎった。合わせてアミノBCAAを経口補水液で流し込む。後半持ってくれよ体力。
そしてもう一つのお楽しみ、二女からの手紙(半強制)。中間地点で凹んでいることを予想し、ここで開封する。
すごいパワーの数。
パワーみなぎる。
狙ったのかどうかわからないが、LINEのキャラが応援してるっぽい。が、よく見ると勢いよく腹を出しているだけで、どういう状況なのか全くわからない。
足に力がみなぎったところで、替えの靴、靴下を準備していたが、足の状態はそれほど悪くなく、マメも出来ていない状況だったのでこのまま行くことにした。ただ、少し足がむくれてきた感があったので紐を緩め気味に調整。そして、汗だくになったTシャツも交換。中にはファイントラックのスキンメッシュを着ていたのでそれを脱いで少し乾かす。
ファイントラック(finetrack) スキンメッシュ ノースリーブ メンズ BK FUM0416 M
- 出版社/メーカー: finetrack(ファイントラック)
- メディア: その他
- この商品を含むブログを見る
素肌まで一枚壁があると違うものなんだなあと実感。ただ、後半は常に水をかぶりまくるので、そこまで意味は、、、。
体を拭き、新しいTシャツに着替えると気分爽快。そして締めに冷汗制汗スプレーを体に吹きかける。
ギャツビー アイスデオドラントスプレー アイスフルーティ 135g (医薬部外品)
- 出版社/メーカー: マンダム
- 発売日: 2017/02/22
- メディア: ヘルスケア&ケア用品
- この商品を含むブログを見る
こいつ、良かった。冷え冷え感がとても気持ち良かった。その効果はそれほど長続きしなかった(さらに汗をかいたりするので。ただ、5kmぐらいは冷えていた)のが残念で、使ってすぐドロップバックに戻してしまったのを後悔した。おまけでくっついてきた小さい缶を持っていったらまた違ったかなあ。GATSBYといえば中高生というイメージがなんとなく強く、おじさん的には若干躊躇しながら購入したものだったが、これは良かった。暑いウルトラ時、制限時間ギリギリランナーにはおすすめの一品だ。
着替えを済ませ、うんまい給食へ。パンと湯葉の揚げたやつ、梅干しをいただく。エイドのおばさんと世間話をしながら。話をすると気も紛れていい。ちょっと胃が固形物を受け付けにくくなっているような気はしていたので、パンは少し食べにくかった、、、。もっと食べるようにしないと、エネルギーが切れてしまうよなあ。
そして最後にトイレへ。このトイレが毎回待たされる。エイドにあるトイレ仮設は基本2基のみ。毎度並んでいるのでそれだけかなりのロス。今大会で15分から20分位はトイレに使ってしまったと思う。これがあと1、2基増えるだけで違うと思う。
トイレも済ませ、ここまで約20分。結構時間を使ってしまった。周りを見渡すとぐったりしてる人多数。リタイア用か、収容バスも結構ある。「ちょっと先で倒れている人がいます!」なんて出来事も。こわい。この先何が起こるか分からないので気持急ぎ目で出発する。次に目指すは日光江戸村だ。
50~75km区間。このレースで一番辛い区間だった。関門過ぎてスッキリしたのもつかの間、下り基調だったコースも60km過ぎからそれも終わり、ゆるーく上ったり下ったり。メンタル的にも絶対思ってはいけない、「ここからフル1本かあ、、、。」とかマイナス思考がガンガン出てくる。きつい。なので走りに集中するため、ここからの写真はなし。写真を撮っている場合でもなかった。
鬼怒川へ向け、若干上り基調となる。次に目指す江戸村。そこまでがほんと辛すぎて辛すぎて、涙。家族は大会に出場するともらえるスペシャルチケットを使って江戸村に行っている。さきほどの関門で電話した時には江戸村をそれなりに堪能しているということだった。何時になるかは分からないが今から向かうと伝えた。電話の向こうでは何やら楽しげな声も。早く行きたい。
なにがつらいって、ゆるーく上っていく中で、江戸村への看板が出てくるわけですよ。江戸村はこちらって。それが何ヵ所もあるんだけど、一向に江戸村が見えてこない。そんなの事前にキロ数調べておけば済むのだけれど、走る前には高低表しか見ていないので、いろは坂上って下ったらあとは平坦ぐらいの意識しか持っていない。そこでなかなか現れないもんだから、もう泣きたくなってくる。ずーっとしれーっと上ってるし。
(GoogleMapより)
江戸村着いたが案の定ここじゃない。入口どこ!!
(GoogleMapより)
先へ進むと長い白壁。この先を見通せる、且つ上り、且つ入口見えずの三重苦。この辛さは走らないと分からないだろうなあ。そしてやっとこの白壁の切れ目が江戸村の入り口で、江戸村エイドに突入する。
江戸村はいる前にかぶり水。日差しはないものの蒸し暑い。後半はエイドごとにかぶり水。500mlのソフトフラスクに水をもらい、ちょこちょこ首、頭にかけて進んだ。江戸村に入ると江戸の人たちのお出迎え。園内にはいると言ってもホントわずかでエイドも水と飴ぐらいのみ。多少江戸感はあるけれども疲れている体には、、、。ニャンマゲがいなかったのが残念。時間もないし家族を呼んでも時間がかかってしまうなと思い、あきらめて先に行こうとしたその時、園内の向こうに見覚えのある小さい女の子が二人、人だかりの後ろにいる!!「〇〇!!」と呼ぶが気付かず、ここは面倒だがザックからスマホを取り出し電話。コース内と園内区切られているところで合うことができた。このままだと制限時間ぎりぎりぐらいだとゴール予想時間を伝え、ハイタッチして一旦お別れ。最悪のメンタルだったのにほんの少し元気になるから不思議だ。あとから聞いたのだが、私が見つけた時何をしていたかというと、何やら路上で裁判をしていてそれを野次馬のごとく見ていたらしい。何の裁判だったのだろう、、、。
江戸村を出て、ここから10kmほど、ほぼ記憶がない。
1kmラップも8分30~9分。69kmぐらいのエイドがあった区間(もしくはプラス信号待ちとか)では14分もかかっている。間違いなくダレた。思いっきりダレた。
そんなだダレた私にこのレース一番のピンチが訪れる。
ほぼ記憶がないと書いた通り、この辺りでは何にも考えないでダラダラ進んでいた。そのまま72km付近、これから鬼怒川温泉街を通過する入口あたりで、前方に信号待ちをしている群れが見えた。群れに近づくとランナーとスタッフの会話が聞こえてくる。
女性ランナー①「次の関門までどのぐらいですか?」
スタッフ「2.5kmぐらいですね。関門閉鎖まであと16,7分ぐらいですから、、、どうでしょう、、、。」
信号待ちランナ一同、ざわつく。
女性ランナー②「キロ6分切って行けばなんとかなりますよね?!」
女ラ①「みなさん、ここまで来たんだからがんばりましょう!!」
信号待ちランナ一同、やるしかない雰囲気。
女ラ②「ここからは下りですよね?!」
スタッフ「いや、ここ下って先の橋を渡ると上りで、、、。」
今思うとこの時のスタッフの言葉は優しさだったのか。
女ラ②「ここまで来たらあとは下りかと思ってた、、、。もう行くしかないですね!ああ、もう信号行ってもいいですか~(笑」
完全にボーっとしていた。関門までそんなに時間がないなんて全く考えていなかった。大会前にもらったランナーズカードがペース表作らなくていいなんて喜んでたのに、お尻のポッケに入れてて、水かぶりしたもんだからぐちゃぐちゃで取り出せず。完全に迂闊だった。
この状態でキロ6出せるとは思わなかった。
ただ、関門通過できなかったらすべてが終わる。
それだけは勘弁だった。
信号が変わると皆一斉に走り出す。
みんな必死だ。
ここから、トライアスリートだろうか、サイクリングシャツを着た女性ランナー(女ラ②)と並走させていただく。キロ6出すしかない。普段ならJOGペースなのに、ここまで来ると感覚的にはキロ4分半ぐらいのイメージだ。
女ラ②さんと時計のペースを見ながら下る。今の状態でのほぼ全力。信号渡って、すぐ下り鬼怒川温泉街へ方向を向く。するとすぐ橋へ向かう曲がり角が見えた。
角を曲がる。
橋だ。
ん、この橋の欄干どっかで、、、。
あ、あの前日の旅館府フロントから見えた綺麗な橋!
ああ、この橋を渡るんだ、、、。知らなかった。こんな思いで渡るなんて。あのダジャレおやじめ(八つ当たり)。必死のキロ6で目線は低い。ふと顔を上げると、
んっ?!
えっ?!
はっ?!
私「えぇええぇええっっ!!!」思いっきり声が出た。
(ネット、栃ナビHPより)
女ラ②「えーっ!」(と言った記憶)
なんか鬼がいるんだが。金棒持って。
私「マジかよ、、、。鬼いますけど。」
私「行くしかないですね。」
(RUNNET 週刊ランナーズより)
70km過ぎてのこの鬼階段、この鬼の顔!
これぞ苦笑いってやつをやった。笑える。
いろは坂よりきつい。しかもこちとら関門ギリギリ!
みんなうなだれてるよ。
しかたがない。登らなきゃ終わり。
前ももに手をやり、上は見ない。
無。
できるだけ無。
修行。
無。
足、重っつっつうつttp!?!?
涙目で上りきる。
女ラ②さんもほぼ同時に。
私「ここからですね、、、。」
ここから自分でもびっくりするぐらい足が動いた。とはいってもせいぜいキロ5分半~6分だが。女性ランナーと並走して、くたばっていくのはカッコわるいというのもあるし、何としてでも関門を突破しないと全てが終わるから!
鬼怒川の温泉街を駆け抜ける。
ガーミンでペース確認して。
私「キロ6分切れてます、このままあと1km、、、」
温泉街若干下りめになったところで踏ん張る。
残りの距離を言いながら並走。
このままいければなんとかなるか。
しかし、あの鬼。一生忘れない。
ここでひとつまた落とし穴。
私がちょくちょく報告している残り距離、これもちろん誤差あり。なので、あと少しだと思ってもなかなか関門が見えてこない。
女ラ②「まだですかね、、、。」
私「もう少しだと思うんですが、、、。」
ここまでの距離の誤差も把握せず、恥ずかしい限り。すみません。
残り数100m、たぶん。
目の前には跨線橋の上りが、、、。
必死に上る。
上りきると国道にかかる信号。
信号待ち。
信号待ちランナー、一同「ああ、はやくー」
青に変わる直前、皆が動き出す。
信号を真っ先に飛び出した男性が、少し行って曲がり角で後ろを振り向く。
男ラ「すぐ関門です!!!」
その声に周りが安堵の雰囲気に。
ああ、声にならないような声。
走る。
走る。
第四関門藤原運動公園、閉鎖2分前、到着。
良かった。なんとか間に合った。
しかしよく走れたもんだ。あの並走してくれた(こっちから勝手に並走した?)女性ランナーさんのおかげだ。ありがとうございますとお礼を言ったかどうか覚えていない。その後の関門で少し見かけたような気もするが、時間内ゴールできただろうか。ていうか私より先にゴールしてるかな。本当にありがとうございました。
あと少し遅れてて、あの関門ギリギリであることに気付いた信号待ちに出くわさなかったら。そこに居合わせた人たちが行きましょうと言ってくれなかったら。私は第四関門を通過できなかった。あそこにいてくれた方々ありがとう。
朝見たYahooのおとめ座運勢96点は伊達じゃなかった。ついてた。
本当に良かった!
50~60kmのラップは20分休憩込み。60~70kmがやはり一番ダレた区間で最も時間がかかった区間だった。いろは坂上りよりかかってる。
あと一つ来年日光ウルトラ100km走ろうと思っている方に教えます。
高低表のこの突起、おそらく鬼階段DEATH!!!
次の関門が最後、90km付近。また関門との勝負だが、それを過ぎればゴールが見えてくる。そこまでまたギリギリでは心臓に悪い。完走するには少しでも早く出発せねば。
第四関門に到着したのもつかの間、補給してすぐ、次の関門を目指した。