先週、ちょいと落語会へ行った。
神田連雀亭のきゃたぴら寄席。
メンバーがよさげで。
新しい落語と伝統的な落語
この寄席に出るのは二つ目といわれるこれからの落語家さんたち。一時の落語ブームは過ぎているようだが、若手の落語家さんにも面白い方が沢山いてこれからが楽しみ。それとは反対に、一般に落語と聞いて連想する「おじいちゃん」が話をするみたいな伝統的な魅力ももちろんある。落語を聞かない人にはあまり想像しにくいかと思うが、落語界も千差万別、いろんな落語家さんがいるのだ。
では、今回の寄席の感想を。
- 立川吉笑 「舌打たず」
生吉笑二回目。まくら*1は弟弟子のエピソード話。気配りが中々できないが、愛嬌のある弟弟子への愛情も感じるようなまくら。落語は新作の「舌打たず」。いらっとする時に出る「舌打ち」についてご隠居とはっつぁんが会話を始める。
ちょうど動画があったので興味のある方はどうぞ(落語本編は11’00過ぎから)。落語らしいシュチエーションで繰り広げられる吉笑ワールド。しょうもないことをずーっと聞いてるとだんだんハマってきて不思議な感覚になるもの。なにより発想が面白い。
- 林家たこ平 「唖のつり」
林家正蔵(林家こぶ平で有名だった)の弟子。まくらなしですっと本編に。とても素朴なというか人が良さそうというか、そういう印象を持った。「唖のつり」という噺自体はあまり好きではなくて、、、。風体の印象よろしく、話し方も一生懸命というか、良い人だけどなんか騙されそうみたいな感じだった。一席空いて隣のおじさんがいびきをかきはじめていらっとした。講演とかでもそうだけど、そういうところで寝るのは、まあしょうがないのかなと思うところはあっても、いびきだけはねえ。いびきかくならいったん外に出て寝てからきてくれ。
- 古今亭志ん八 「ん廻し」
ポッドキャストで聞いたことがあって、とても雰囲気が良かったのでどんな生落語になるか楽しみだった。いやあ、すごく口調が良かった。ところどころのくすぐりがこれまたシュールというか変態チックというか。落語独特の伝統的な雰囲気にふらっと吸い込まれる感じ。人情噺は特に良いみたいなので、また聞いてみたいなあ。
- 春風亭昇也 「鹿政談」
皆さんご存知、笑点の司会、春風亭昇太の弟子。まくらは独身昇太の面白話から。昇太は全然面白エピソードがない師匠なんだって。春風亭昇也さんは落語芸術協会の若手ユニット成金のメンバー。とても勢いのあるユニットで個性的な落語家が多い。その中ではちょっと普通というか、個性ががんと立つタイプではなさそう。師匠昇太の豪快というかバカっぽいというか動きの大きいところは全く引き継いでなくて、ニコニコしながらサラッと噺が進んでいく。噺自体それほどドラマチックではないので、これまた個人的には好きな噺でなかったのが残念。言いよどみも多かったかなあ。次は違う噺を聞いてみたい。
今回は何と言っても古今亭志ん八。今年秋には真打になるようなので、これから年を重ね、年季が入ってくるととても様子が良い落語家になるのではないか。十年後も楽しみ。
以上。
*1:落語本題に入る前のにする話