サブ4しか見えない【第8回いわきサンシャインマラソン】スタート~中間地点

いよいよスタート

ゼッケンのBを腕組みで隠し、その時を待つ。少し緊張。

午前9時。

バン。

いよいよサブ4のチャレンジが始まった。

 

【S~5km LAP30’20”(目標29’10”)】

走り出すとやはりテンションも上がるもんで、緊張が解け、やる気がみなぎる。しかし、参加者9000人ではなかなか進まない。スタートゲートまでのロスは約3分。ゲートから陸上競技場を出て幹線道路までの区間は特に道幅が狭く、全然進めない。幹線道路に出ると今度は上りになるので、みんなペースが落ちさらに渋滞。これは前回も経験済でしょうがないこと。

最初の1kmは7’06。

おい。さすがに心配だ。

が、今回は違う。結果がすべて。初めにオーバーペースになるぐらいなら遅い方が良いと思うようにした。これははてブロランナーさんに教えてもらったことだ。中々前に進めず、忍者のごとく身をかわして、間をすり抜けて前に行きたい衝動に駆られるが、何度それで失敗したことか。かわすのは最小限。

次、2kmは5'57"。

良い良い。これで良い。

2kmを過ぎたら少し間隔に余裕が出てきて、ペースを自然と上げることができた。スタートから2kmのロスが大きかったが、5kmまでの設定ペースは5'50"なので、遅くなった分つじつまを合わせるためにちょっと速くということも我慢した。2km以降、上った後に気持ち良く走れそうな下りに入るが、そこもグッと抑える。下りで挽回。この考えも序盤は捨てた。

最終的に初めの5km、目標より1分遅かったが全然焦らなかった。逆にこれで後半の足のために温存できたと思えた。そこも前回のはがマラソンの時と違う点だ。はがでは明らかにおだっていた。*1

 

トイレタイム競り負ける

【5~10km LAP28’57”(目標28’45”)累積59'16"(目標57'55")】

序盤は結構アップダウンがある。ここで足を消耗しないためには無理をしないこと。最初の5kmのロスをこの区間で取り戻そうということも特に考えなかった。冷静だった。ただ体は温まってきたので、体が徐々に動き始めてくる。足もテーピングをしっかりしたおかげで大丈夫そうだ。

良いぞ。風はちょっと強くなってきたが、、、。

ちょっと寒いな。

おしっこしたい。

きたな尿意。スタート前まで理想的なトイレライフを送っていただけに、序盤の尿意は悔しかったが、このまま尿意について考えながら走るのは嫌だ。細目に置いてある仮設トイレに目を凝らし始めたのが実は5kmぐらいから。尿意早い。仮設トイレが見えたら、生まれ持った目の良さを生かし、鍵の赤青を確認する。

9km付近、去年ワイナイナに抜かれた上り坂手前。3つの仮設トイレ確認。あと100m弱。一番右端のトイレから人が出るのを確認。並んでいる人なし。

あと少し。まだ誰も入っていない。

今だ。

すっ。

右前方からなぜかストック(山登りをする時に使う補助具みたいなやつ)を持ったおじさんが前を横切り、右端のトイレへ消えた。

競り負けた。

しかたなく待つこの焦り。少しロスもしてたし、トイレタイムは少しでも早くしたい。幸いにも左端が2、30秒ぐらいだったろうか、出てきてすぐトイレに飛び込んだ。今までにないぐらいの勢いで用を済ませ飛び出す。トイレタイムありつつもロスはそのまま。良いペースで走れていたようだ。

 

何もないのは良いこと

【10~15km LAP27’20”(目標28’20”)累積1’26'30"(目標1'26’15")】

ワイナイナの坂を登りきると海岸へ向かって海沿いに出てから折り返し中間地点まではほぼ平坦になる。沿岸部に入るといわきサンシャイン名物の大漁旗がある応援のすごい区間に。ここは目標ペース5’40”に対し約5’30”のペースで巡航した。心配していた風はというと、海岸に出るまでの間、割と追い風傾向にあった。なのでワイナイナの坂辺りもグッと背中を押してくれたりしていたのだ。かなり見方をしてくれた。最後までそうだといいのだが、コースの都合上そうもいかない。案の定終盤は風が手強い敵になる。それはまた後ほど。

海岸沿いは応援が多い。とても気分が良く走れる。ここから折り返しのランナーとすれ違うから、折り返してくる速いランナーを見ながら、そっちは向かい風かとか速い友人がいないかなあとかいろいろ考えてたらあっという間に過ぎた区間だった。ロスを1分縮めてほぼ目標ペースに!

 

【15~20km LAP28’00”(目標28’20”)累積1’54'38"(目標1'54’35")】

自分も折り返すと、折り返しに向かう友人をまた探しながら、また大勢の応援を浴びながら気持ち良く走る。友人は一人見つからずだったが、インスタのフォロワーさんは発見でき声をかけれた。まだまだ余力もあるしなかなか調子の良い感じだ。この区間でも目標ペースより若干速く走れた良い区間だった。もうすぐ半分。だんだん風が強くなってきていて、折り返してからの向かい風区間は結構しんどかった。この先のコースのことを考え、この区間は向かい風になるかなとか、終盤のふたコブのアップダウンは上りで追い風になりますようにとかそういうことを考えていた。旗を持って応援してくれる大勢の方々には心の中でありがとうをしていた。

順調順調。

あっ。

何もブログに書けるような面白いことが起きていない。

前回だったらワイナイナにびっくりとか初のジェル補給でゲェーとか放屁が止まらないとか何かしら書けるようなことがあったのだが。

何もないよ。

それでいいのだけれど。

 

ここからが勝負だ

中間点通過。2'00'30"。

よしよし。足はまだまだ残っている。中間過ぎて激坂と終盤のふたコブが待っている。去年とは明らかに違うこの感じ。ここまで8km毎に忘れずに補給も取っている。尿意ももう大丈夫そうだ。中間過ぎてから、坂区間のペースは落とし気味でも、その他は5'30"で上げていく目標だ。

いける。

後半勝負だ。

 

つづく。

*1:福島の方言で、調子に乗っているという意。言われると恥ずかしい。

サブ4しか見えない【第8回いわきサンシャインマラソン】前々日~スタート前

悲願達成

なんとしてでもサブ4を達成したかった。初フルで洗礼を浴び、自信満々で挑んだ2回目のフルでボロクソにやられた。こんなのはもう勘弁だと思いながらも、足の故障で走れなかったり、十分な練習が積めたとは到底言い切れなかったが、それでもなんとしてでもサブ4をとりたいと思っていた(このくだり、何回も書いてる気がする)。

結果、昨日の速報の通り、悲願であったサブ4を達成した。ギリギリではあったが。毎度大会では大会の雰囲気も合わせて楽しく走りたいと思っているが、今回は違う。結果を出したかった、結果を。道中いわきサンシャインでなければ味わえない風景や雰囲気はたくさんあるのだけれど、今回は少し我慢をしてサブ4のことしか考えなかったし、いつもならする応援してくれる方々とのハイタッチも一回もしなかった。その力さえ後半に温存したかった。常にどうしたら上手くいけるか走りながら考えていたから。なので、大会自体心底楽しめたかというと、、、?

 

 

全然楽しかった!

 

 

自分の体や時計のペースにいつも以上に気を配り、事前にこさえたペース表を都度確認し、上手くいっている時にはとても気分が良かった。いわきサンシャインは2回目だったこともあって、コースをほぼ覚えている。だから、戦略的にここで無理しない、ここはちょっと頑張るといったペース配分がある程度できた。もう一人の自分がいて、その人が監督となり指示を出す感覚。それを今回は特にタイムに集中して走れたことは、これもまたマラソンの楽しさかなと思った次第。タイムをとことん追及すること。ブログをやっていたからこそ得られた知識とかを思い出して考えて走るとか。そういう楽しみ方もあるんだなあ。まあ、そんなところで、数回に分けて第8回いわきサンシャインマラソンの私なりの疾走レポを記す。

 

大会前々日の近未来感

大会前々日の夜、酸素カプセル初体験をした。昨年末の忘年会で手に入れた一時間無料券があったのだ。酸素カプセルと言えばQちゃんとか猫ひろしとかも利用していると聞いていたし、整骨院の方もおすすめしていたので、この勝負レース前にやってみようと。何やら疲労回復を促進したりできるのでレース前後にお勧めだそうだ。

いざ、酸素カプセル。

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中は当たり前だが狭い。一時間は結構退屈するかなあと思ったが、スマホ持込み可ですよと言うので、それなら良いかと持ち込んだが、スマホばかり見てると全くリラックスできないので写真撮ってすぐやめた。中に入ってどんどん気圧が上がる数字を見ていた。上がり始めてすぐ耳が「あの感じ」になる。キーンとすると言えばよいのか。幸い耳抜はできるので、すぐ試すとそれ以降全然耳は問題なかった。耳以外、特に体の変化は感じなかった。少しでも寝れるかなあとも思ったがそんなに寝れない。ただ目を閉じ、リラックスしようと心がけた。こんなカプセルに入っているとなんとなく近未来感が漂う。このまま凍結されて目が覚めたら1000年後で、あなた誰?みたいな。そんなことやいわきのレース展開のことを考えてたら結構早く時間は過ぎた。その後、足全体もほぐしてもらいだいぶ軽くなった。しかも前日には日帰り温泉に行き、大会前としてはこれ以上ないぐらいの休足となった。

肝心の酸素カプセルの効果は?

正直分からない。

 

大会当日はテロテロ

大会当日お迎え予定の朝5時に備え、3時半に目が覚め外を見るとうっすら白い。福島は3つの地方に分かれてまして、地方ごとに結構天気が違う。天気予報ではいわきは問題なさそうなのでいいのだが、向かうまでが心配になった。テーピングや諸々の準備をして、5時お迎えが到着し車に乗り込む。道路はテロテロに凍っている。

「この車は4駆っすか?」

「いや、2駆」

大丈夫かなあと思いつつも、海側に入れば全然雪はないのでそれまで辛抱。磐越道入っても路面が怪しそうなところは結構あり、ちょっと嫌な感じだった。が、社内は走る談義が花を咲かせていたのであっという間の1時間半だった。

 

会場到着からの羞恥心との戦い

駐車場から会場までのアクセスは去年と全く一緒だったのでとてもスムーズだった。今年も駐車場係のスタッフさん達はとても気持ち良く接してくれる。ボランティアの方々がいるから私たちは走れる。毎度毎度実感する。

会場到着後控室へ。今回は昨年の状況を考え2階席の方へまっすぐ向かった。

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これが正解。近くにトイレもあるし、全然混まない。控室の体育館出てすぐの仮設トイレは行列。こういう穴場が大会それぞれにあると思う。諸々準備を始めるが、その時ひとつの小さな小さな羞恥心との戦いが始まった。

スタートブロックB問題。

 

tomsai.hatenablog.com

私の実力でBブロックなど到底有り得ない。大会に出た時、参加者の走力がどのくらいなんだろうなあと思ったらゼッケンのアルファベットを見る。A,Bブロックなんてサブ3.5以内のすごい人たちのブロックだ。なぜそこに私がいるのか。お連れの方にも真っ先にこのBブロックであることの不思議さを伝えるが「間違ったんじゃないのー」とニヤニヤ。いや、自意識過剰及び間違いではないことをここに証明しておく。

 

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3:55:00。完全にCブロックだ。

誰もあまり気にしていない小さなことかもしれないが、周りの目を特に気にすると言われている日本人気質が当然私にもあるわけで、あの人Bブロックなのになんでここで走ってんの視線がどうも気にならざるを得ないのだ。小さな小さな羞恥心との戦いである。もちろん、Cブロックの人がBブロックには並べない。アナウンスもしてる。でも逆は良いよねとお連れの方のブロックDに二人で並ぶ。幸いゼッケンは前だけだったので、腕組みすると見えない。スタートまで終始腕組みして寒い感じを出していた。

 

快晴も風の不安

スタート地点の風はそこまでではなかった。予報では注意報が出るレベルの風速10メートル越えだったが。風さえなければとても良い天気。

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気温も少し肌寒いが走る分には問題ない。14,5km過ぎてから沿岸部に入るが、そこ辺りからは風が、、、とは覚悟していた。天気ばっかりはねえ。遠くでは磐城高校応援団の演武の音が聞こえる整列時。

新しいシューズ

スタート前に、今回レース初登場のニューシューズ。

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 Onのクラウド真っ黒バージョン。

今までのフル2回はクラウドレーサーで走ったが、これ私の走力に合ってないんじゃないかと思って新しいシューズを購入して履きならしていた。ハーフまでなら持つけど、それ以上になると足に負担が大きくなるんじゃないかと。レーサーより軽く、なおかつクッション性が良い。Onの中ではコストも低め。これにかけた。練習で履いててもクラウドレーサーとは違う柔らかさを感じた。これならフル持つんじゃないか。結果こいつは最後まで足を優しく包んでくれた。こいつがサブ4悲願達成の立役者のひとつだったのは間違いない。

 

そしていよいよスタートの時。

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